COLUMN

佐々木京美のそこにある、素朴でシンプルな「暮らし」を綴ります

器達の過去の栄光@奥能登国際芸術祭

<奥能登国際芸術祭2020+>
に行ってきました。

 

スズ・シアター・ミュージアムでは、
芸術祭に向け地域をあげて行われた

「珠洲の大蔵ざらえ」にて発掘された
時間を超え語りくる品々が、
土地の物語を演技。

 

 

兼ね兼ね
福井と能登の自然、
そして、食文化は似ているなとは感じていましたが
今回、ここに足を運んで、より一層そう感じました。

となると、その理由も知りたいし
相違点も、類似点ももっと見つけたくなる。

福井にもある御膳
(ふくいでは、オゼンと口語では言ってるかな)

近年福井でも、

こういった食器がバンバン捨てられている事を知っているだけに
ここにこうして掘り出され、
表舞台に出てきた器の言葉を
心して聞き取りたい。

この器の材料をうみ出した
今も静かに存在する山々、

器を作った、
今は亡き名も知らぬ職人さん達、

地域の恵みの季節の食材たち、

料理を作り、
この器に盛り付けた今は亡き女性達

それらの言葉を

数々の料理の周囲に集う人々の声
表情・・・

その風景を

この器にお似合いのお料理は??

やっぱり、そこにあるもの材料が相応しいかなー
何か盛り付けてあげたいなー、

ついつい思ってしまう。。

 

 

そう遠くない過去、

福井でもそうだった様に

家の座敷で、冠婚葬祭が行われ
人々が集い、厳かな神事、仏事が行われ
料理がふるまわれ
話し、笑い、怒り、泣き・・・

そんな風景が、並んだ器から伝わってくる。

 

ここ福井でも、

平成の初め頃までは、
多くの女性達が集う台所で
身近な食材で工夫を凝らしたお料理が作られ

この器と共に
ズラリと並んだものでした。

今ここに
見るだけに存在している器は
なんだか寂しそう・・・

と思うのは、
器達の過去の栄光を知っているからかもしれません。

そこにあるもので美味しく生きるカテゴリの最新記事

ページのトップへ戻る