MESSAGE

メッセージ

流れゆく季節と共に
移ろいゆく身近な食材の
ゆらぎを感じながら
ハレの日や
日々の食事を用意する。
それは、
そんなに大げさな事ではなくて、
これまで福井の女性達がしていた事。
地域の、文化・自然・歴史と
そこの暮らしぶりが伝わる料理。
それは、
自然に無理をかけず
未来を守る事にもつながっていた。

<春>
ふきのとうの苦みから始まる山菜達。
ワラビ、タラの芽、コシアブラ、フキ、ミズブキ
土からのぞく筍に合わせたように葉を出す山椒
朴葉の香りに包まれたきな粉ご飯、朴葉飯

<夏>
半夏生には鯖の丸焼き
庭先の土用干し梅干しをつまむ楽しみ。
お家の台所から漂う、へしこを焼く匂い
ナスを焼く匂い
冷たいキューリやトマト

<秋>
秋祭りの御馳走
混ぜ寿司、お葉漬け、すこ、昆布巻
里芋の煮っころがし
栗ご飯

<冬>
大豆麹や米麹から作られる、冬の保存食品
はまな味噌、なとみそ、
冬野菜の大根漬け、白菜漬け、
地域の酒蔵さんから出て来る酒粕は焼いてお砂糖

春には、夏には、秋には、冬には
お祭りには、この時には、あの時には
あれを食べよう、これを食べよう。
あれを食べさせたい、これを差し上げたい。

今一度、そこに目を向けると
人と人、お互いの心の持ちようが
楽になるかもしれないと思う。

京美

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